築港ヤード再開発関連の情報です。


1998年秋に本州資本であるマイカル(旧ニチイ)グループが小樽築港ヤード地区に大型商業施設を建設します。この影響は小樽市に大きな刺激を与える事は間違いありません。ここでは、マイカル、反対派、小樽市、商工会議所、中心商店街の動きをお知らせします。

銀鱗荘前から予定地区を望む
(かつて年間約300万トンの石炭を運びだした広大な土地です。)

第3回定例小樽市議会最終日

第3回定例小樽市議会最終日(9月27日)の夜、マイカル(旧ニチイ)の店舗面積を98000平方メートルとする大規模小売店舗審議会の審議結果を受け、緊急質問が本会議で行われました。見直しを求め、質問に立ったのは琴坂市議で受けたのは同再開発の必要性を主張する新谷市長でした。現在の大きな反対派地元商業者、市民グループは「築港ヤード再開発を考える会」と「築港再開発差し止め・春を呼ぶ会」。

予定地区
(ここの再開発で小樽が変わるかもしれません。)

    大店審結審内容とマイカルの年間販売予定金額(96年2月)
    • ビブレ
      ファッション、雑貨商業施設。約40000平方メートル。231億円。
    • サティ
      食料品、日用品中心の生活百貨店。約28000平方メートル。210億円。
    • センターゾーン
      地場産品、海産物などの専門店街。約30000平方メートル。180億円。 合計621億円は小樽市の年間販売額の4割を占めます。小樽ベイシティ開発は 年間の集客目標は900万人目標の全く新しい町を創出するとコメントしています。


ヒルトンホテル
(東京、東京ベイ、大阪、名古屋にあります。写真は東京ヒルトン)

グループ直営の娯楽施設の概要
    マイカル小林会長は「小樽ベイシティは約98000平方メートルの店舗面積で1998年9月に予定通り開業する」と言明しました。
    • フライツアイト
      プールや露天風呂のクアハウスを核としたスポーツ施設。約8200平方メートル
    • ワーナー・マイカル・シネマズ
      7、8面のスクリーンを持つ映画館。2000席、約3300平方メートル
    • ダイナレックス
      バーチャル体験ゲームなどを備えた複合アミューズメント施設。約6600平方メートル
    • シーサイドストリート
      テレビスクリーンや音響などを配し、築港の景観が展望できる各施設を結ぶ通路
    • 他に直営だけで25店舗の飲食店街
      ホテル・ヒルトン・インターナショナル、吉本興業が参画表明しているが、更に1、2の核施設について関連企業と交渉中とのこと。


セントラルタウン
(梁川商店街から臨む)

    小樽市の商業振興策
    • 商店街アドバイザー派遣事業(経営コンサルタントなどの専門家の派遣)
    • 商店街グレードアップ資金(無利子での設備資金の融資)
    • 店舗リニューアル資金(アドバイザー制度で認定された事業に融資する低利資金)


セントラルタウン
(都通りアーケードと言った方が分かり易いですね。)

    小樽商工会議所の商業振興策
    • 個店経営の支援策
    • 商店街活性化への事業
    • 商店街の顔づくり
    • 商店街および周辺の環境整備
具体的な内容は個店への巡回指導、店舗改装などへの融資、商店街マップ作成、都通り・サンモール・花園銀座街共通商品券、他
他には「買い物代行共同配送システム」の研究は高齢化社会を見据えたものや商店街の空き店舗をコミニュティホールとして利用、マンションを備えたテナントビルとして活用する等イメージアップを図る構想をもりこんでいます。


(フォーマルな)
棟 徹夫氏の意見(1996年12月)

「築港跡地再開発反対・春を呼ぶ会」会長
(北見工業大学名誉教授)

------築港再開発の何を問題視しているのでしょうか?
「法的な問題点をいくつも指摘できますが、一番問題なのは小樽市の姿勢です。市は道路などの基盤整備に165億も拠出するとしています。ところが再開発計画自体サテイなどの商業施設の面積が明らかになっただけで、全容は一向に分からないまま。165億もの巨費を投じる根拠はどこにあるのでしょうか。市が計画の内容について分かっているのに市民に知らされていないのなら大問題。もし、計画もないのに巨額の税金を一企業のために使うのなら、さらに問題です。商店街など、だだでさえ空洞化の進む中心商店街の苦しみを、市はどう考えているのでしょうか。


再開発、地元優先発注を(1996年12月)

小樽市、商工会議所が要望書を提出
小樽市と小樽商工会議所は築港ヤード地区再開発の大規模複合施設建設で、地元企業に優先的に建設工事や関連事業を発注するよう求める要望書を事業主体である大手小売業マイカル系列の開発業者「小樽ベイシティ開発」に提出しました。総事業費は約1000億円と見られています。

1997年に出店公募(1996年12月)

第4回定例市議会、本会議
新谷市長は「小樽ベイシティ開発」から聞いた話と前置きしたうえで、現時点で約50から60店のテナント出店申し込みがあるそうで、「市としては地元業者を優先して採用していただくようお願いしていく」と述べました。

商店街が営業延長を(1997年1月)

小樽・まちづくり活性化推進委員会
新谷市長に最終報告書を提出

築港ヤード再開発と共存するため、既存商業の振興策の具体化を話あってきた同委員会が最終報告書をまとめて市長に提出しました。「夜のにぎわいづくり」、研修会、講習会の実施、ファックスやインターネットを利用した情報提供サービス等、19の事業を具体的に提言しています。

築港新駅舎はこの夏着工(1997年2月)

市が基本設計報告
エレベータ設置、ガラス張りで開放的に・・・

市議会築港ヤード跡地再開発特別委員会で市が建設を計画しているJR小樽築港新駅舎の基本設計を報告しました。二階に改札口がある橋上駅になるためエスカレーターやエレベーターを設置する予定です。約2年間で施工費は7億1千7百万円。2階からマリンロードへ直結されます。

マイカルが札幌駅南口出店計画(1997年3月)

JR北海道が札幌駅南口の再開発事業の一環としてマイカルと専門店(ビブレ)の出店に向けた協議を進めている事が明らかになりました。店舗面積は40000平方メートル前後を想定、実現すると隣接する大丸と並ぶ道内最大級の商業圏になります。マイカル広報室は「検討している事は事実だが具体的な事はまだ決まっていない」とのこと。札幌駅らか小樽築港まではJRで約30分ですが・・・

開業は1999年3月に・・・(1997年3月)

最初の予定より半年遅れに
マイカルグループの小樽ベイシティ開発が築港地区に開業する大型複合施設「小樽ベイシティ」(仮称)の開業が予定の1998年9月1日からほぼ半年遅れの1993年3月になる見通しとなりました。商業、娯楽各施設やホテルなどのレイアウトやデザインを含む全体計画の策定作業が遅れたようです。特に高層ホテルの完成は1999年1月以降になることが確実なので、雪が多い冬場を避けて3月に総て同時オープンする方が有利と判断した模様です。

小樽市議会築港ヤード跡再開発特別委での計画発表(1997年4月)

小樽ベイシティ計画発表
小樽ベイシティ開発が発表した築港ヤード跡地再開発計画は当初の計画のアミューズメント施設の縮小で集客の疑問の声が上がっています。OBC企画部次長からは「広域集客はアミューズメントの定義だけでは限度がある、デザイン、景観、環境の良さも考えてほしい」と説明し、最初の計画である100000平方メートルを越えるアミューズメントが実施計画で66000平方メートル前後の縮小を発表しました。主な施設はプール、温泉、スポーツクラブを組み合わせた「フライツアイト」、北海道の食をテーマとした「食のミュージアム」、体験型ゲームを備えた「ダイナレックス」、そして「マイカル吉本興業」。経済界からはやはりアミューズメント縮小に対しての不安、周辺土地区画整備を既に始めた市はやっと動き出したと安堵を表す思惑の違いが見られました。

「マイカルシティ」と道内の複合施設(1997年4月)

小樽ベイシティ計画と複合施設
小樽ベイシティ開発は年間集客9000000人の目標に自信をみせています。OBC統括部長の記者会見では最低10000000人は来るでしょうと発言しています。その根拠を全国展開している「マイカルタウン」の好調ぶりにあります。三重県桑名市に1995年3月に開業した「マイカル桑名」は初年度、16500000人、2年目も17000000人、と好調で建物は3階建てで延べ床総面積が153000平方メートル、店舗面積は53000平方メートルで今回の計画の約半分の面積です。来店者は9割がマイカーでその商圏は半径数十キロに及び若者カップルとファミリーが中心、目的は買い物とアミューズメントが半々で食品のウェートは低いのが実態のようです。道内のアミューズメント、複合施設では1990年オープンの「苫小牧ファンタジードーム」が初年度こそ880000人でしたが、リピーターが増えず、年々減少し、今年1月に閉園。1993年オープンの複合施設「サッポロファクトリー」は当初は札幌の新名所として人気を集めましたが、徐々に客足が遠ざかり開業4年目にして大規模ニューリアルに迫られています。また、札幌では、駅周辺対大通りの百貨店戦争の目玉である2001年の開業を目指す大丸の影響の方が小樽ベイシティより大きな影響を持っていると考えています。札幌、道内、道外からいかに人を呼べる施設として完成させるかが大きな課題となっています。

小樽ベイシティ開発が保留地を取得(1997年6月)

保留地全体の3分の2
小樽ベイシティ開発は小樽市が築港ヤード再開発の基盤整備として進める土地区画整理事業で生み出される保留地1万9千平方メートルのうち3分の2にあたる1万2千平方メートルを5月に取得。

試験くい打ち(1997年8月)

本体建設でも利用可能な地盤の強さや騒音などを調査するための試験くい打ち開始。
複合施設は鉄筋コンクリート一部18階建て、延べ33平方メートル。建物全体で約2500本のくいを使用するが、今回の試験くい打ちは120本。くいは直径6〜7cm、長さ4〜16m。18日から着工。

複合施設14日着工、18日に起工式(1997年10月)

600億の投資
設計・施工は大成建設、五洋建設、鹿島建設、日産建設、地崎工業、熊谷組、三井建設、岩田建設の共同企業体。築港地区再開発室は「年間900万人の集客、5千人定住のマンション群、3千人の雇用」と説明してます。

ちょっと一言、言わせてくださいな。
(1996年9月)
(個人の意見です。)

築港ヤード再開発のお手本の一つに今年、96年5月に開業した「キャナルシティ福岡」がありますが、同年の4月に初めて福岡に行く機会がありました。度肝を抜かれた感想の一つに交通機関の充実が上げられます。こちらを例に上げると千歳と札幌と小樽を一つの町にして総て地下鉄の様な公共交通手段で短時間に移動が可能だと言うことです。更に、中心地から空港へのアクセスの近さ、開発著しいウオーターフロント、そして西のアジア圏を見据える事のできる地理的な優位性等、羨ましい限りでした。千歳、札幌、小樽の交通ラインの充実が必須だと言うことは素人の私にも解ります。せめて5号線をどうにかしなくてはいけないでしょうね。(96年1月9日の朝は忘れません)再開発以前の現在の観光客の入り込みをみて、土、日の5号線には近づきたくないですよね。

小樽市、マイカルグループ、小樽ベイシティ開発、「築港ヤード再開発を考える会」、「築港再開発差し止め・春を呼ぶ会」、「小樽・まちづくり活性化推進委員会」非公認


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