お寿司について


小樽のお寿司を頂く前に、
お寿司の事をお話しましょう


「小樽に来たらやっぱりお寿司でないかい」と言うことで、実際に食べてがっかりしたあなた、やはり新鮮で安いと満足したあなた、地元の良く行く店の方が「良い」と思ったあなた、観光客目当ての寿司だと怒ってしまったあなた、こんなもんだろうと思ったあなた、小樽にはお寿司屋さんがたくさんありますが、江戸前握り寿司は江戸(東京)が本場だと思います。蝦夷(北海道)のお寿司を食べる前にちょっと握り寿司のお勉強をしましょう。


お寿司屋さんでのお寿司の美味しい時間帯について

(きっとそうでしょうね。)

一般的にお寿司屋さんは朝、市場へ行きその日のネタを仕入れます。お寿司屋さんの営業開始時間はまちまちですが、通常は午後5時から6時くらいです。ですから、そのお店が営業を開始し、約30分から1時間くらいの時間帯が朝、仕入れたネタが丁度なじむ頃です。新鮮過ぎるのも美味しくないと言う意見やひと晩ほど寝かしたものが良いと言う意見もありますが、全般的に夜11時を回るとすこしくたびれてくる様です。また、お寿司屋さんも人の子です。酔っぱらいが長く居座っていたり、気分が乗らない時など、疲れてくる時間もあると言われています。やはりここは、開店間際に暖簾をくぐるのが一番なのではないでしょうか。


お寿司の種類別、食べる順番について

(統計的な順番ですよ。)

以外とお寿司屋さん自身は「好きな物からどうぞ」と言いますが、一番、良い順序説では淡泊な味の白身からの様です。その店のレベルを試そうと玉子からやトロから食べる人や好きな物から食べる人、好きな物を後に取っておく人などいろんな人がいる様ですがここは好きに食べてみましょう。しいて一般的な順序では、白身、トロ、光り物、イカ、玉子、貝類、海老、アナゴ、最後にかっぱ巻きなんていうのが宜しいのではないでしょうか。


出されて何分で食べる?について

(乾いたらおしまいです。)

あくまでも付け台前の状況では、早ければ、早いほど良いと言われています。「10秒以内で食べて」とか「1分以内にな食べて貰いたい」と言う希望が多い様です。「追われる寿司は美味しい」と言うくらいですからなるべく早く食べる方が良いようです。本来、歴史的に考えて屋台から始まりその早さが江戸っ子に受けたのが江戸前握りだったのですから・・・しかし、寿司の歴史を辿ると「保存食」としての始まりが原点でした。江戸前握り寿司の本来の技である「下拵え」は「保存」の為の「工夫」だった訳です。要は空気に触れて乾いてしまわないうちに早く食べるべきでしょう。


手で食べる?箸で食べる?について

(本当にそうなんですか?)

手で食べるか箸で食べるかは、「女性だから箸で」と言う意見や「絶対手で食べるべきだ」と言う意見で真っ二つですが、通常、お寿司屋さんでは、付け台前のお客さんへは軽く握り、それ以外は固めに握るようです。軽く握られたお寿司を箸で食べるのは結構、至難の技でしょう。ですから必ず箸は出てきますが、手で食べる物だと思っている人が多いようです。ぱっと握ったのをぱっと一口で食べるのが江戸前寿司の基本ですから手の方が宜しいのでしょう。それでも箸で食べたいとという方へのアドバイスは「お寿司を横に寝かせてつまみあげる」事です。


醤油は何処にどれだけつける?について

(皆、そう思う?)

まず、いけないだろうと思われる事は「しゃりに醤油をつけるな」でしょう。しゃりが醤油を吸って辛くなり、お寿司の命であるネタとしゃりとわさびのバランスが壊されてしまいます。醤油はネタの先にほんの少しが正解のようです。軍艦や薬味の乗ったお寿司はしょうがを利用して醤油をつけるもの良いでしょう。


江戸前のお寿司屋さんの技について

(これを調べるには行ってみるしかないけど確認は難しい。)

こな茶(玉露や他の色々なお茶のくずを混ぜている物)を使っている。 海老やヒラメのすり身や山芋を使って自分のお店で玉子を焼いている。 こはだ、鯖を上手くしめている。 かんぴょうを上手く煮ている。 たこを上手く茹でている。 アナゴを上手く煮ている。 ガリを自家製で出している。


一見から常連へお寿司屋さんと仲良くなる事について

(良く言われる事ですね。)

またまた、お寿司屋さんも人の子です。自分の舌とフィーリングで月に数回、通う事です。いわゆる、常連さんへの道ですが、自分も、月に数回、お寿司屋さんに通える程、高収入ではありません。では、少ない回数で嫌われない為にはどうしましょう? お寿司に関してのプロ中のプロを前にして、能書きを垂れない事、知ったかぶりをしない事でしょう。また、逆に好かれる客とは、お寿司屋さんが自身をもって出した物をきちんと、素直に評価、誉めてあげれる事、本人を少し「よいしょ」してやる事でしょう。


養殖と天然ものについて

(そうらしい・・・)

ハマチ等は殆どが養殖で餌は臭いのきつい鰯など、病気にならないように抗生物質が使われていると言われています。中以上のお店では養殖物は置いていないませんし、そこに拘っているようです。小樽のあるお寿司屋さんのご主人ははっきり「あんなもん気持ち悪い」なんて言ってるの聞いた事があります。ものすごく安いお寿司ではこの他、かんぱち、ヒラメ、タイ、アジなどは殆ど、養殖のようです。海老だけが天然と養殖の味の差が少ないようです。これは、仕入れ価格の差で致し方ないでしょう。やはり、天然物にこだわるお店が本物でしょうね。


少しシビアに値段について

(お金が沢山あればねえ。)

例えば温帯性なのに日本海積丹沖から礼文でかかる最高級ホンマグロは1キロ4万円以上する様です。これからトロを握りにすると1ヶの原価は約1000円以上にもなってしまいます。お寿司屋さんは通常、仕入れ価格*2.5倍から3倍で値段を決めているようですので、まともに取ってしまうと1ヶ、3000円以上なんていうとんでもない値段になってしまいます。ですから、積丹沖の大物高級マグロは小樽ではなく、築地へ行き、高値で取引され、銀座等の最高級お寿司やさんからお金持ちの皆さんの口へと運ばれるみたいです。(これは噂です)良いマグロはなかなか高い物なので、調子に乗って注文すると御愛想も高く、お寿司やさんの儲けも少ないのであまり良いことが無いようです。要は仕入れが安く、美味しいネタをどれだけ良心的に食べさせてくれるお店を探せるか?と言うことですが、これに関しては前記の一見と常連の問題等、お寿司屋さんとのつきあいが大きい事が解ります。高級大物ホンマグロは築地行きですが、大物ではない物は地元に落ちると言う話もあります。例えば「古平」のお寿司屋さんに頼むと食べれるかもしれないそうです。道央圏でも数本、競り落とされますが、決まったお寿司屋さんの取り合いになるようです。



最後に・・・

(ああ、お寿司が食べたくなってきた。)

観光客は一見であるという事から、観光の皆さんが安いお寿司を出されてがっかりしたと言う話を良く耳にしますが、小樽でも美味しいお寿司はお好みで1万円を覚悟で食べた方が良い様です。それでもコストパフォーマンスが低いと思われた方は「はずれ」と思って、諦めてくださいね。

このコーナーを開設するに当たり、多くの文献を紐解き、お店では余りしつこくない程度に情報を収集し、あくまでも、一般的ですが、独断でアップしています。「これは、嘘だ!」や「ここはちっよと違う」と思われた、寿司フリークの皆さんや本物のお寿司職人さんがいらしたら是非とも「ご意見」、「ご感想」、「御批判」メールをくださいね。